[湘南日記] Get Wild! 平和を取り戻すため、カラスと戦い始めた父ちゃん
突如として街… マンションを占拠したカラスたちにより、僕の住まいは カラス・マンションと化してしまった。しかし反撃するための武器を手に入れ、マンションの平和を取り戻すべく、父ちゃんは敢然とカラスたちに立ち向かい始めたのだった。
(考えてみれば、街そのものはとっくにカラスに占拠されてますな。これはこれで、いずれ何とかしないと)
さてマンションの平和を取り戻すべく立ち上がった父ちゃんだけれども、もともとカラスとの相性は良くなかった。
ゴミ袋を狙うカラスを見つけると、そちらに向けてダッシュして威嚇するのが日常的な習慣だったりする。
しかしヤツラ… こちらが空を飛べないからと、舐めているらしい。数メートルまで近づかないと、ゴミ袋から離れようとしない。だから昔から、カラス問題は何とかしたいと願っていた。
カラスから街を守るには自治会副会長さんの言う通り、「ゴミ袋を籠や箱の中に入れて、カラスにやられないようにちゃんと対策する」という方法一択なのだ。
そちらは自治会に任せるしかない。
僕は元自治会区長アンド元マンション理事長として、今は自分の住んでいるマンションを守ることに専心するのだ。
そういえば理事長時代には頑張って、「マスクはウレタンマスクを使わず、不織布マスクを使いましょう!」という広報チラシも作成した。
(ウレタンは穴だらけだし静電効果もないし、「何も付けていないよりはマシ」という程度だからねえ。そういえば近所のマンションでも、一年前から「不織布マスクを使いましょう」と館内放送でさりげなくアナウンスしている)
そんな訳で自分のためマンションのため、さっそくカラスへの反撃を開始した。
最初に投入したのは、もちろん “緑の懐中電灯 強力ライト カラス対策 高輝度 長距離ポインタ” だ。
「戦力の逐次投入は下策で、戦いは最大戦力で一気に敵を掃討する!」と、昔のエラい人が言っていたような気もするし…
さてこの強力ライトは、たしかに強力だった。
大抵のカラスは緑色のレーザーライトが腹や羽根に当たると、すぐさま逃げるように飛び去っていった。
最初は戻って来るヤツもいたけれども、二日目には殆ど全てのカラスを一旦は追い出すことに成功した。
マンション管理人さんも正月休みから復帰し、糞(フン)を高圧洗浄機で洗い流してくれた。ちなみに鳥の糞というのは厄介な代物で、車の塗装などもダメにしてしまう。やられたら、さっさと洗い流して清掃することが大切なのだ。
(そういや関係ないけど我が家には、鳥の糞に直撃されたヤツもいたな)
誰も彼もが、このライトの照射力には驚いた。
そして子供がカラスに照射してみたけれども、見事に撃退することに成功した。
「本当だ。スゲー!」と感心していた。
自治会副会長やマンション管理人は、晴天のマンションの一階から屋上を照らせる光景を実演すると、「すごいですねー。購入したいので商品情報を教えて下さい」とのことだった。大好評である。
オススメに従い、昼間でも使える強力タイプを発見することが出来て良かったよ。
(USB充電とお手軽なのも嬉しい)
とはいえ、敵もさる者… ではなくて、大カラス天狗みたいなヤツだった。
腹や羽根にレーザービームを照射しても、副隊長格はさておき、隊長格には通用しなかった。苦労して小さな頭への照射に成功すると、しぶしぶと飛び去る程度である。
しかもコチラが部屋へ戻って仕事した後で見回ると、いつの間にか屋上階段の頂上に舞い戻っている。
頭が良いのか、隊長格としてのメンツなのか分からないけれども、なかなか手強いヤツである。
これでは水鉄砲も通用しそうにない。
ここはXYZでシティ・ハンターのサエバ・リョウに…
(子供に「父ちゃんの致命的に下手くそなバイオリンを弾いて聞かせたら? 『屋根の上のバイオリン弾き』になるし」と言われたが、これはマンション管理規約で禁じられている。あきらめることにした)
子供たちよ、安心するが良い。
こんなこともあろうかと、オノタニ・セイも “とっておき” を用意していたのだった。
いや、こっちではない。
サエバ・リョウの愛銃コルト・パイソン357(4インチ)ガス銃モデルガンの見た目は超カッコ良い。
僕も資金を貯めて、装飾用に購入したいと夢見たことがある。
しかしなぜか子供が目ざとく気づいてしまい、「そんなの買ったら親子の縁を切るからね!」と宣言されてしまった。
うちの子供、リョウの娘である香瑩(シャイン)みたいに大変魅力的だけれども、容赦のないところも似ていたりする。
でもリボルバー拳銃って、男のロマンなんだけどなあ… シティ・ハンターをやってみたいんだけどなあ…
しかし真面目な話、 “ガス” というのは、冬場屋外のような低温環境に弱い。
こういう時は腕力に任せて空気を充填するエア・コッキング型(通称エアコキ)が適しているのである。
こちらば僕の用意した “とっておき” のコルト・ガバメントである。奇しくもリョウの娘であるシャインの愛銃もコルト・ガバメントである。
前回はH&K USPエアーHOPハンドガンを購入したと言ったけれども、そちらは10歳以上向けモデルだった。そしてこちらは18以上向けモデルだ。
パワーは比較にならない。
サバゲー(サバイバルゲーム)では遠距離スナイパー用として利用することさえ可能なのだ。なにしろ50mだって夢ではない。
“漢バネ” というロマンに満ち満ちた名称の強化スプリングにより、ワン・オブ・サウザウンドに仕上げることだって可能なのだ。
ただしモチロン、こんなもので近距離から撃ったら、カラスを傷つけてしまうリスクがある。そもそもBB弾の重さも、USPが0.12g推奨なのに、このコルトガバメントは0.25g推奨である。
段ボールも平気でブチ抜いてしまう。
と、ここまで説明すれば、お分かりだろうか。
わざわざ18歳以上向けのコルトガバメントを持ち出して来たのは、カラスを撃つことが目的ではない。
先に紹介したように、隊長格の大ガラスは拙宅ベランダ隣の屋上階段の頂上が “お気に入りポジション” である。
その脇のべランダで、”独りサバゲー(サバイバルゲーム)” をやることが目的なのだ。だから迫力や音量が大きい方が望ましく、それで18歳以上向けのコルトガバメントとの出番となったという訳だ。
そういえば亡き親父は “吹き矢の会” に所属していた。
これは介護付きマンション内のサークル会で、健康維持を目的としていたらしい。
それならば僕も肺は肺で鍛えるにして、吹き矢やダーツと似たようなシューティングゲームをやっても良いだろう。
何だったらば誰かとビデオ通話で接続して、”なんちゃって競技会” を開催しても良いかもしれない。
さて話を戻すと、在宅勤務の合間に、ベランダでシューティングゲームを三日ほどやってみた。
カラスの鳴き声が聞こえる環境でやっていたので、連中もこの様子を見ていたらしい。
昨日や今日は風が強かった影響もあるかもしれないけれども、二日目の午後あたりから隊長格を見かけなくなった。
まだ三日しか経過していないので何とも評価できないけれども、なんだか個人的には期待できそうな予感を感じている。
と、以上の通りで、このまま行けばカラス対策は完了するかもしれない。
とりあえず副隊長格カラスに悩まされていたおばあちゃんは見かけなくなったことに安堵し、「どうもありがとうございます」とおっしゃって下さった。
どうやらマンションの平和は守られたと言って良いらしい… そう信じたい。
さてさて、これからどうなるか。
僕はマジンガーZのようにジェットスクランダーで空を飛ぶことができないので、もしもこれらの対抗策でさえもダメならばドローン調達だろうか。
最近はマンション外壁チェックでドローン導入が進んでいるとも聞くし、まだまだ他にもやれることはありそうだ。
(その分、時間と費用は必要になってしまうけれども。あ、さすがにバリアー、結界、帳(とばり)でマンション全体をカバーするのは難しそうだな)
こうして愛する者たちのため、街の平和のため、今日も父ちゃんはガバメントを片手に戦い続けるのだった。
(あ、会社の仕事もたまってしまったから、早く片付けないと)
それでは今回は、この辺で。ではまた。
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記事作成:小野谷静