[湘南日記] カラス来襲! 突如としてゴミと糞だらけになってしまったマンション!
オンライン忘年会も無事に終わった12月31日、突如として街に災害が発生した。
九州ではラドンが出現して大変なことになったらしいが、僕の住むマンションはカラスの来襲を受けてしまったのだ!
今までも “燃えるゴミの日” に、近所の賃貸アパートのゴミがカラスに襲撃されることがあった。
しかし今回は僕の住むマンションへ、突如としてカラスが大挙して押し寄せて来たのだ。
階段の手すりに留まって糞はするし、マンション脇の道路は柿の食い残しとフンで大変なことになってしまった。もちろんマンション廊下も同様である。
流石に大晦日から新年にかけてはマンション管理人さんもお休みに入っており、奥様方の「憧れのマンション暮らし」など、どこかへ吹っ飛んでいってしまった。
気の毒なのは最上階で階段近くに住んでいるおばあちゃんである。
「玄関のドアを開けると、大きなカラスがこちらへ大きな声を上げるんです。怖くてたまりませんでした」
ヒッチコックの “鳥” ほどではないけれども、彼女には相当なホラー小説的な状況だっただろう。
激しい被害を被ったのは、彼女だけではない。
おばあちゃんの玄関近くに居座ったのは副隊長格であり、もっともタチの悪い隊長格は屋上に上る梯子の一番上に陣取った。
当マンションでは最も高所であり、一番の絶景を楽しめるところだ。
なんで上記のような画像を撮影できるかというと、実はこの階段は拙宅のベランダ隣に設置されている。
つまり我が家のベランダも、柿の食い残しと糞で甚大な被害を被るようになってしまったのである!
子供に英語指導していると、「カアー、カアー」という声も聞こえる。
それでも冬休みの宿題をコーチすることや英語指導を休むことは出来ず、年始の挨拶回りも欠かせない。それでとうとうピークの時には、音信不通になってしまったという訳だ。
実は父ちゃん、新年早々から試練と直面していたのである。
僕は某企業で調査/分析/戦略立案を本業としている。
カッコ良くいえば、令和の諸葛孔明である。
その僕が分析するところでは、どうやら今回は不幸なタイミングが重なってしまったことが原因であるように見えている。
先ほど賃貸アパートのゴミを狙うカラスに言及したけれども、どうも最近はカラスがゴミを漁りまくって大集団化していたらしい。
自治会副会長と情報交換する機会があったけれども、「最近はゴミ対策で大変なんですよー」とのことだった。
そういう状況において、年末年始のタイミングで “燃えるゴミの日” が一回お休みとなってしまった。
カラスとしては、食事をする機会がなくなってしまったのだ。
そして運の悪いことに、当マンションの近くには、柿の木があった。
日頃はグルメなカラス集団だけれども、今回は仕方なしに柿の木へ殺到した。その近所の家には事情があって、柿の実を落として捨てることはおろか、カラスと戦う余裕も無かったことが災いした。
いや、30羽くらいの集団だったから、戦えというのが無理な話だと言えるかもしれない。
それだけの羽数だから、マンションの要所要所を全て押さえられてしまった。
柿の実を持ち去って、猫などがやって来ないマンションの屋上で心ゆくまでリラックスできる。人間は空を飛べないから、棒切れで追い回されても恐くない。
もはや “カラス・マンション” と誰かが命名しても、全く文句の言えない状況である。
ただしこちらもモチロン、座してカラスにマンションを占拠させ続けるつもりはない。
思いがけない攻勢で完全制圧されてしまい、敵の占領下になってしまったものの、ともかく武器の調達を急ぎ、ひそかに反撃の機会を狙っていた。
武器の第一弾としては、下記アイテムを調達した。
- レーザポイント型ライト
- 水鉄砲
- エアーソフトガン
特に期待したのは “緑の懐中電灯 強力ライト カラス対策 高輝度 長距離ポインタ” だ。
しかし、今回購入した本商品は強力で真昼間でも効果抜群です。ヤツラは頭が良い為二度と来なくなり安心して管理出来る様になりました。価格も安く性能も良い為大変満足しております。”
そして水鉄砲は、屋根の上に陣取るカラス対策だ。レーザーポイント型ライトの効果は未知であり、道路から屋根上のカラスにアタックできるかは不透明だ。
宇宙海賊コブラのサイコガンはレーザー光線を曲げることが可能だけれども、我が新兵器のライトセイバー直進オンリーだ。
そういう時には、水鉄砲に活躍して貰うのだ!
ただし今にして思えば、この時の僕は少しばかり冷静さを欠いていたのかもしれない。
良く考えれば、バケツに水を汲んで “ひしゃく” で打ち水すれば十分だ。わざわざアサルト型の水鉄砲を用意する必要はない。
(中学二年生で中二病まっさかりの子供は大喜びしたけれども)
同じように、エアーソフトガンも行き過ぎだった。
こういった評価コメントを読んで購入したけれども、そうやらこれは微妙な行為であるらしい。
鳥獣保護法とやらに引っかかってしまうかもしれない。
東京マルイのH&K USPエアーHOPハンドガンは、銀玉鉄砲というには少々微妙だ。スポーツ用の18歳以上とよりも威力は押さえられているが、”10歳以上” という制限が付く程度の威力はある。
もちろん垂直方向に向けたのだから、衝撃は水鉄砲並みに弱まっていたのだろうとは思う。
先のYahoo!記事でも、「水鉄砲ならば多分大丈夫」と弁護士が説明している。
その後も元気に飛び回っているということは、単に何かが当たって驚いた程度だろう。だから水鉄砲と同じと解釈することが出来そうだ。
しかし… 東京マルイのH&K USPエアーHOPハンドガン(10歳以上)には、日本遊戯銃共同組合によるチラシが入っていた。
「銃口は、弾が入っていなくても、絶対に人や動物に向けてはいけない」という注意書きがある。
もちろんサバゲー(サバイバルゲーム)のようにゴーグル等を装着して遊んでいる時はオッケーだけれども、無防備な存在へ向けるのは宜しくないのだ。
先のオジサンも僕も「にっくきカラス」というところだ。
いや、先のおばあちゃんにとっては憎いというよりも、自分の安全を脅かすホラー的な存在なのだ。
それでも、僕らは手を出すことを禁じられている。
幕末の長州藩士だった高杉晋作は、「三千世界の鴉(カラス)を殺し 主(ヌシ)と朝寝がしてみたい(添寝がしてみたい)」と詠んだと聞く。彼とは視点が違うけれども、本当にカラスを力ずくで駆逐したいところだ。
ともかく僕が思いついたカラスへの対抗兵器は手に入った。
そしてカラスに制圧されたマンションの自由を回復すべく、僕とカラスとの知恵比べが始まったのだった。
それでは今回は、この辺で。ではまた。(次回に続く)
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記事作成:小野谷静