水性ノック式ボールペン替芯を高級ボールペンへ(マイスターシュテュック)

最近では4c芯やパーカー互換芯のおかげで、我慢すればシグノやSARASAのノック式ボールペン替芯を使わずに済みます。

しかしツイスト式の高級ボールペンで水性インクを使いというユーザ要望は、昔から高いです。(私も水性インクのモンブラン互換芯を購入した経験があります)

そして筆記具に拘る者たちには、「我慢」という単語が辞書にない者が多いです。

そもそも文房具店で販売されている水性インク(ジェルインクやゲルインク)のボールペンは、半分以上がノック式です。キャップ式一色になっていないところから見て、それなりに一般ユーザの需要も高いと言えます。

水性インクのノック式ボールペン

そこで今回はマイスターシュテュックにも装着成功したことでもあるし、ノック式ボールペン替芯の加工方法を紹介させて頂くことにします。

第一段階:スターウォーカー

まずは水性インク(ジェルインク)と空洞形状が似ており、少しの加工で装着可能なスターウォーカーを紹介しましょう。

ジェルインクのプラスチック芯

上側がカッターで加工した後で、下側が加工前です。なかなか大胆に削ったと驚かれるかもしれません。たしかにここまで削ると替芯本体の接合強度に影響が生じてしまいます。

このような加工に耐えられるような接合部分となっているのが、ZEBRAのサラサスタディ芯です。同じように白プラスチックが採用されているJF-04でも耐えることが出来ます。そしてこの段階までならば、三菱鉛筆のシグノ(ゲルインク)でも加工可能です。

替芯の加工

本体部分を先に削るとグラグラになってしまうので、まずは先端側のプラスチック部分を削って細くします。RJF5-BLのような透明プラスチックだと、どこにインクが流れてるかを一目で識別できます。

ご覧のように、先端の金属部分と同じ程度の太さまで削ることができます。インクのおかげでプラスチック部分が分かるので、インクが見えるあたりまで削るようにします。

スターウォーカに装着可能な状態

これで第一段階は終了です。ここまでの加工で、冒頭画像のようなスターウォーカー(初代)に装着できるようになります。

第二段階:ファーバーカステル

お次はファーバーカステルです。ファーバーカステルはペン先の口金が小さめの内径となっています。このため口金とぶつからないように、替芯の外側を削る必要があります。プラスチックの肉厚は後端からでも確認できますが、1mm程度はあります。

プラスチックを削り、この肉厚を少しだけ薄くなるように加工します。一番上側の替芯なのですが、お分かりになりますでしょうか。

替芯アダプター

ちなみに一番下に写っているのが、替芯アダプターです。SARASAだと、お値段を気にしなければ4c芯を装着することが出来ます。

なお十分に削ることができれば交換不要ですが、口金内部にあるスプリングを交換するという方法もあります。邪魔になりにくい形状のスプリングと交換すると、削り出すプラスチックの量を減らすことが出来ます。

ファーバーカステルイントゥイションの口金とスプリング

このような加工によって、ファーバーカステル伯爵コレクションのイントゥイションやギロシェであれば装着可能となります。なお残念ながら通常タイプの伯爵コレクションは口金部分が長めです。私は今のところ、この通常タイプ伯爵コレクションだけは装着に成功していません。

マイスターシュテュック

さてそして、最も難易度の高いモンブラン・マイスターシュテュックです。

ツイスト式マイスターシュテュックで水性インク

ちょっと分かりにくいかもしれませんけど、単にスプリングが当たる部分に留まらず、替芯外側を相当削り込んでいることが分かるでしょうか。これがマイスターシュテュックの場合のコツです。

さすがにマイスターシュテュックの空洞は広くないので、プラスチック芯の外側がぶつかってしまうのです。そこで僅かですけれども、先端部2cm程度は少し削り込む必要があるのです。

こちらもスプリングを交換すれば、削り出す量を減らすことができるかもしれません。ただし私の場合はファーバーカステル伯爵コレクションのイントゥイションも含めて、特にスプリングは交換していません。

まとめ(替芯選択が重要)

以上がノック式ボールペン替芯を利用する場合の加工方法です。ボールペンの本体軸(ボディ)に応じて、必要な作業内容が異なることが分かります。

しかし苦労するだけのことはあるでしょう。ツイスト式ボールペンは、使う時の様子がカッコ良いです。おまけにキャップが無いので、片手だけで替芯を出し入れすることが出来ます。

ともかくポイントとなるのは、替芯に何を選ぶかです。スターウォーカーであれば何でもござれですけど、マイスターシュテュックは難易度が高いです。

インクフローに若干の不安はありますし、費用的に高くつきますが、替芯アダプタと4c芯ならばお手軽に実現できます。

実は私も今日は一日中、いろんな替芯で試していました。今回のために実験を積み重ねた訳ですが、やっぱり疲れました。

予算に余裕があれば、まずは4c芯から試してみるのが良いでしょう。

そしてノック式ボールペン替芯の利用は最後の手段として残しておく、と。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:四葉静