[2020年5月9日発売] ソードアート・オンライン第24巻の面白さ

ソードアートオンライン 24巻

ソードアート・オンライン第24巻が2020年5月9日に発売されます。

第23巻が発売されたのが2019年12月10日なので、本シリーズで見るとハイペースとなります。

何しろ第1巻は電撃文庫で、史上初の国内単巻発行100万部(ミリオンセラー)を達成した人気小説です。丹念に書き込まれており、いかな作者でも相当な労力を費やしたことでしょう。

また最初にWeb小説として登場したのが2002年のことですけれども、内容の古さは感じられません。扱っているテーマが単純な物事ではなく、人々にとって普遍的な核心を扱っている為なのかもしれません。

(ちなみに2002年というと、冒頭画像のようなガラケーの普及し始めた頃です。まだスマホは存在しませんでした)

すでに冒頭部分は、電撃文庫の公式サイトから試し読みが可能となっています。

これだけの人気シリーズなので、継続的にTVアニメ化が推進されています。残念ながら2020年4月開始予定の新章は7月開始に延期されましたけど、ほぼ全ての内容がアニメ化されているという人気ぶりです。

我が家でもお嬢様が23巻を購入し、現在その本は友達のところにあります。相当なお気に入りです。

今回も彼女から依頼されたので、ソードアート・オンライン第24巻の内容を「メモの魔力」を使って予想してみることにします。

ソードアート・オンラインとは

ソードアート・オンライン(Sword Art Online)は公式略称がSAOと名付けられた、人気のライトノベル小説です。ウキペディアにおいて、充実して分かりやすい概要紹介が紹介されています。

ウキペディアで紹介されているように、英語版も刊行されています。この第1巻の表紙に登場する2名が、主人公たちです。

小説では人間の感覚を完全に遮断して、意識を仮想世界(VR:Virtual Reality)へ移すフルダイブ・システムが開発されました。

そしてこの技術を利用して、現実世界と同じような感覚で楽しめるオンライン・ゲームとしてソードアート・オンラインが製品化されました。

感覚が完全に遮断されるので、肉体は意識を失ったのと同じような状態になります。つまりベッド等に仰向けに寝て、ゲームを楽しみます。(私はイビキがひどく、ベッドではなくて布団を使うため、無理ゲーのようです)

ソードアートとはSword Art、つまり剣技のことです。SAOは1万人が参加して、モンスターを倒して第50層までの攻略を進めるゲームでした。先ほどの2人は、このゲームの参加者です。

で、ゲーム開発者にしてゲームマスターである茅場晶彦が、この参加者たちを現実世界に戻れないように設定変更してしまうのです。参加者たちはそんなとんでもない状況の中、1層ずつ攻略を進め、ゲームクリアを目指します。

結局は2年くらい後に主人公たちの活躍で、ゲームクリアして意識を取り戻します。

こうやって纏めると、現実的には全くあり得ないことだと明らかです。「荒唐無稽」ってヤツです。

しかしここが作者のスゴいところでして、日々の生活で苦労している私たちのように、登場人物たちは悩んだり喜んだりします。

つまり昔ながらの「小説」です。登場人物たちの多くが中学生-高校生という点が異なる程度です。

また事件を起こすのは、「ただこの光景が見たくて」とか「娘をAIとして蘇らせたい」というオジサンたちですけれども、その心情は理解できます。

こういっては何ですけれども、ぶっ飛んでいるオジサンたちは、実社会にもゴロゴロしていますね。圧倒されます。

そういえばSAOと対極的なのが、同じ電撃文庫の「魔法科高校の劣等生」です。こちらは「主人公が全く悩まない」「ヒロインの心情描写が殆どない」という、SF的なストーリー展開です。

無敵の主人公が、これまた手強い強敵たちを、遠慮なくバッサバッサと切り捨てて行きます。昔の時代小説みたいなものでしょうか。

これはこれで、日頃の鬱屈した感情を気晴らし出来ます。そのようなアプローチも、大いに「あり」でしょう。

ただし共感できる主人公たちが、悩みながらも無双するソードアート・オンラインの方が、発行部数や興行成績で上を行っています。

どちらが良い悪いという話ではありません。しかし無料公開されている第24巻の “試し読み” を読んでも、ケーキ一つに悩む主人公というもの興味深いです。

誕生日プレゼント一つに悩むというのも、私のようなオジサンにしても「あるある」です。

一方で「魔法科高校の劣等生」の司波達也なる人物は、ケーキで悩むことは全くありません。適当に選んで、黙々と食べることでしょう。

第24巻の内容予想

さてソードアート・オンラインの世界観をおさらいしたところで、先ほどの「無料公開されている第24巻の試し読み」(冒頭部分)などから、内容を予想してみましょう。

… すいません。頑張ってみたものの、できませんでした。

いつものように早稲田大学の政治経済学部出身で、TVにも見かけるイケメン社長さんの「メモの魔力」に頼ってみました。しかし今回は、内容予想できなかったのです。

これは「作者でさえ物語がどのように展開するのか全く分からない」とのことなので、当然の結果なのかもしれません。

それに加えて、いろいろなボスキャラたちが暗躍しているようです。

第21巻では、SAOの開発者&ゲームマスターの茅場晶彦による “The Seed” (種) プログラムを利用したオンライン・ゲーム群が、何者かの手によって統合されてしまいました。

その統合されてしまったオンラインゲームは、ユナイタル・リングと呼ばれています。この第24巻は、ユナイタル・リング編III(第3巻)とサブタイトルが付いています。

主人公キリトたちは “アンダー・ワールド” (人工知能たちが生活する世界) から無事に戻って来ていますが、今回は何やらそちらも関係しているようです。

第24巻の “無料試し読み” を読んでみて、取りあえず分かったのは、次のことです。

  • オーグマーを開発したカムラ社が怪しげな動き
  • 何者かがユナイタルリングからアンダーワールドへコンバート
  • 謎のコンバートは、おそらく茅場の調達したサーバー経由
  • キリトは菊岡さんの要請により、アンダー・ワールドを再訪
  • キリトは、茅場の調達したサーバーから再訪(確定情報)
  • 亡き友人そっくりで、「僕」と名乗る整合機士団長が登場
  • キリトはいきなり銀色のスパークめいた痛みに襲われる
  • ヒロインのアスナも、その時は様子がおかしくなった
  • 人工知能のアリスは、特におかしなことは起こらなかった
  • キリトにはクローン(人工知能で生成)が存在する(第18巻)
  • キリトのことを良く知る “先生” が存在する(第23巻)
  • 情報屋アルゴによると、”先生” と呼べるようのはキリト(第23巻)
  • キリトは殺人ギルドと敵対関係にある(ずっと)

コンバートというのは、ゲームキャラを他ゲーム用に変換することです。いずれにせよ、これでユナイタル・リングとアンダー・ワールドに、再び接点が出来ました。

かつてアンダー・ワールドは衛星回線(現在は政府が閉鎖中)を経由して、数万人のゲームプレーヤーが訪問しました。物語の中では、コンバートは十分に可能であることになっています。(ただし、その時はアンダーワールドの設置されている施設”オーシャン・タートル”での操作が必要だった)

こうやってリスト一覧をみると、アンダーワールドへコンバートしそうな人物としては、茅場明彦とクローン・キリトが最有力候補となります。ただし亡き友人ユージオが復活したとか、まだまだ決めつけるのは早計です。

それからアンダー・ワールドにおける新キャラの整合機士団長は、キリトとの初対面で自分のことを “僕” と言いかけます。

小説で “僕” というのは友人ユージオと茅場晶彦くらいでしょう。キリトは自分のことを、「俺」と呼びます。

そう考えると、茅場晶彦だと考えるのが順当でしょう。コンバートして、再び “団長” となったという訳です。

(そういえばヒースクリフ団長の時も、 “私に勝ちたまえ、キリト君” でしたね。懐かしいです)

しかし… 作者は自ら、何がどうなるか分からないと公言しています。

「実はワザと引っかけとして使った」ということで、本当はクローン・キリトだったとか、他の人物だといういうことも大いにあり得ます。

ちなみに私はどう考えているかというと、SAOが崩壊する時に茅場晶彦が「僕はね、キリト君…」と話しかけるシーンが印象的でして、ぜひ茅場晶彦であって欲しいと願っていたりします。”私” も似合っていますし。

そして話を戻すと、キリトはユナイタル・リングで、引き続いて狙われ続けます。

王道的パターンとしては、クローン・キリトが本物キリトにとって代わろうとするというシナリオが考えられます。しかし本物キリトの性格を考えると、何となく狙いが少し違うような気がします。

あとクローン・キリトが最優先事項としているのは、アンダー・ワールドの安全確保です。そのためには本物キリトも、 “役に立つ存在” です。

そう考えると、クローン・キリトは茅場晶彦と手を組んで、アリスのような人工知能の誕生を任せるという選択肢もありそうです。そしてクローン・キリトは、オーシャン・タートルの永続的メンテナンスや武器装備を進める、と。

図らずも両者で “利害一致” です。そうなると騎士よりも機士の方が都合良いし、整合騎士の増強が重要となって来ます。

そういえば18巻でアンダー・ワールドから帰還した時、アリスに送られて来たサーバー情報は、アンダー・ワールドにいたことのある者でないと分からない暗号で書かれていました。そして現在アンダー・ワールドへコンバートした者は戻って来ていないハスです。

と、いうことは… やはり茅場晶彦とクローン・キリトは手を結んで…

何だか “キー坊” がボヤいていたように、「少しでも頭を傾けたら情報が溢れ出てしまいそうだ」です。

おまけに映画版オーディナル・スケールに登場していたカムラ社の名前まで登場しています。もうこうなったら、5/9の発売と同時に速攻で読むのが一番のようです。

とりあえずソードアート・オンラインという物語には、まだまだ波乱に満ちた展開が待っているということだけは、確かであるようです。

まとめ

と、いう次第で、何がどう落ち着くのか全く読めない第24巻です。

我が家のお嬢さんの期待には沿えなくて申し訳ありません。しかし今回は「お父さんが分析してくれれば、読まなくても大丈夫」と言われた予想力も役立ちません。

それにしても自らも作中の人物たちと同化して書くと、物語としては面白くなるものの、苦労も大きくなりそうです。

そんな小説を20年近くも頑張って執筆している作者はスゴいし、それを支える出版関係者や読者/ゲーマー達もスゴいなあと、オジサンとしては感心するしかありません。

無事に5/9発売となるようで、何よりです。私もお嬢さんのように5/9が待ち遠しくなって来ました。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:四葉静

P.S.
作者がTwitterでコメントしていたように、もし学校が9月始まりとかになったら、桜を背景にした描写とかのある学園モノの作者さんたちは大変悩むことになりそうですね。