ファーバーカステルのパーフェクトペンシルUFOを完璧にする
ファーバーカステルのパーフェクトペンシルUFOにはファンが多い。13年以上の愛用者も存在するとのことだ。伯爵コレクションのように数万円はしないけれども、数千円はする。
廃盤した時に備えて、予備を何セットも購入しているファンもいるらしい。筆記具というのは本当に奥が深い。(なんでも万年筆のインクだと、沼にはまると表現されるらしい)
しかし僕に言わせると、まだパーフェクトペンシルUFOには改善したい点が二つほど残っている。そこで今回は、僕がどうやって快適度をアップさせているかを、簡単に紹介させて頂くことにする。
滑り止め
当たり前なのだけれども、僕にとっては大変残念なことに、パーフェクトペンシルUFOはマット仕上げになっている。そのために指先が滑ってしまって使いにくい。その滑ることを理由にして、たまたまジャンク品として販売されていた伯爵コレクションを購入してしまったほどだ。
(えっ、論理が少し飛躍しているって? うん、その通りだ。文房具に拘る者って、大抵は物欲を我慢できないから建前として、適当な理由を付けて購入しているだけなんだ)
さて普通の人には高級感をアップしてくれるマット仕上げだけれども、ぼくは若い頃から手先が乾燥している。だからマット仕上げは苦手だ。そのためにクロスのクラシックセンチュリーボールペンを親父から譲られた時、セロテープを貼って滑り止めにして使っていた。
新垣結衣ことガッキーが使っていたアウロラのイプシロンボールペンも所有しているけれども、そのために格安で販売されている中古品を購入したものだ。そのためにマット仕上げの軸しか購入できなかった。
何しろ真面目にメッキをしようとすると、技術的には手間がかかる。塗装が一番お手軽だけど、安っぽくなってしまう。その点でマット仕上げは高級感が出る上に、そんなに手間がかからないというメリットがある。だから僕の文房具はマット仕上げになっているものが多い。
人生なんて、そんなものだ。で、イプシロンというアウロラ製ボールペンのマット部分にもセロテープを貼って、滑り止めをして使用している。
(イプシロンはノック式なので、けっこう片手での使い勝手が良い)
ちなみにモンブランのマイスターシュテュックでもウルトラブラックという特別モデルを所有しているけれども、これはプラスチックをマット化している。だから地肌が剥き出しになることを恐れる必要がないので、メラニンスポンジ “激落ち君” でせっせと磨いて、とうとうツルツル&ピカピカな本体軸にしてしまった。
パーフェクトペンシルUFOに関しても冒頭画像では分からないかもしれないけれど、やはりセロテープを貼っている。最近はどうも根性がなくなってしまったので、メラニンスポンジを使って、最新の注意を払って磨くような気力が出ないのだ。それに万一薄いメッキだったら、プラスチックが剝き出しになりかねない。
世の中、なかなか都合良いことばかりでは無いのである。(少なくとも僕にとっては)
新品の鉛筆対応
この “高級鉛筆の館” ブログでは何回も言及しているけれども、パーフェクトペンシルは鉛筆キャップとしては使い物にならない。鉛筆を外して、向きを変えて装着する動作を繰り返すのは本当に面倒くさい。
それに一応は社会人だ。たとえ在宅勤務をしていても、いや在宅勤務だからこそ、こちらが身構える暇もなくチャットや電話ということになる。両手を使って、のんびりとメモを取る準備をするような余裕なんて存在しない。
しかしキャップでなくて補助具だけの利用に限定すると、「新品で長い鉛筆はどうするのよ?」っていう話になる。17.4cmもあると、たとえパーフェクトペンシルUFOが伯爵コレクションよりも段違いに軽量であっても、やっぱり少し邪魔になる。
と、なると、「鉛筆+パーフェクトペンシルで全長が伸びてしまうんだったら、パーフェクトペンシル全体に鉛筆を収納できるようにすれば良いじゃない」という路線に行き着く。つまり冒頭画像のように、”闇の文具王” 神器であるダイヤモンドヤスリを使い、内部の突起部分を削ってしまうのだ。
ご覧の通りでダイヤモンド製のヤスリだったら、30分とかからずに突起部分を削り落とすことが出来る。ちょっとランサーの長い槍のようなイメージもあるけれども、ともかく新品の鉛筆が装着可能となる。
ちなみに手前のパーフェクトペンシルUFOの後端から、三菱ハイユニ鉛筆の後端が顔を覗かせているのが分かるだろうか。もしも三菱鉛筆ハイユニの本体軸を細過ぎると感じている人ならば、もっとパーフェクトペンシルUFOを鉛筆の中央部分に寄せて使っても良いかもしれない。
それから僕にとってはファーバーカステル社が拘る “デザイン的な美しさ” よりも “実用性” が優先となる。だから鉛筆キャップも遠慮容赦なく利用させて貰っている。
こんなことばかりやっているから、本当に業界からお呼びがかからないのかもしれない。しかしそれでも構わない。あくまで僕は筆記具のヘビーユーザーであって、文具ライターじゃない。別に雑誌や文房具店のトークショーに登場したい訳じゃない。
ちょっぴりしか羨ましくありませんよ、ちょっぴりしか。(負け惜しみ)
まとめ
今回は簡単だけれども、以上の通りだ。僕の苦手な “マット仕上げの滑りやすさ” をセロテープで補って、ヤスリでパーフェクトペンシル全体に鉛筆を収納することが出来るように加工すれば、パーフェクトペンシルUFOの完璧度はアップする。
実際、デザインと軽量性が両立しているパーフェクトペンシルUFOは、本当に使っていて楽しい。だから先ほどの画像のように、僕も二本のUFOを所有している。
(この他にもパーフェクトペンシルUFOを何本か持っているかどうかは… すまない、企業秘密だ)
ずっしりとした重みのあるパーフェクトペンシルの伯爵コレクションも悪くないけれども、鉛筆の気軽さを堪能できるUFOも悪くない。
どちらをメインとして利用するかは、その人の体質や好みで決めれば良いと思う。決して価格的にリーズナブルだから、パーフェクトペンシルUFOの方が劣っているということはない。
ちなみに筋力が少なくてボールペンでも軽量性を最重要視している僕は、日常使いにはUFOの出番が多い。それに軽量なUFOはポケット入れても邪魔になることがない。さらに言うと、胸ポケットに何本も刺せる。
いちいち会議中にこっそり削るよりも、あらかじめ何本も用意しておいた方が楽なのは確かだ。
それでは今回は、この辺で。ではまた。
———————-
記事作成:小野谷静