古いMacbookにCatalinaをインストールして後悔した件
Macbook Late 2008のmacOS Catalina使用者から、Windows 10もインストールしたいというご相談を頂きました。
あまりに必死なのでメール対応していましたが、あまり芳しくない状況でした。
そこで私もとうとうmacOS CatalinaでのWindows10インストールを検証テストを実施することになりました。
私の場合は首尾よくWindows 10インストールに成功し、特に問題なく利用できました。
(そこで我が家のお嬢様に相談者の成功をお祈りして頂くことは断られたので、今回は”ぱくたそ” 素材の河村友歌さんに、冒頭画像のようにお願いして頂きました)
[chat face=”mikan2.jpg” name=”Mikanお嬢様” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]絶対にイヤじゃ![/chat]
なお実際に使ってみると分かりますけど、Macbook Late 2008(アルミニウムボディ)には正式サポート対象であるMac OS X EI CapitanとWindows 10の組み合わせが相応しいです。
今回はどうしてそのような結論になるのを説明させていただくことにします。
ライブ変換は無理
私がiPad Proをメインマシンにしたのは、日本語入力で「ライブ変換」が使えるというのが最大要因です。もともとmacOSで提供されている機能です。
しかしこのCatalinaで強化されたライブ変換機能、Macbook Late 2008では使えません。遅いとか云々の以前に、そもそもハードウェアが対応していないので “動作しない” です。
実は最新型のMacbookとMacbook Late 2008を隔てる大きな壁が、この「ハードウェアが根本的に変わっている」です。昔は画面表示だけに使われていたGPU(Graphic Processing Unit)が、今ではライブ変換を支える人工知能には必要不可欠な存在となっているのです。
おまけに演算用のCPU(Central Processing Unit)も、Intel Core2Duoと古い世代です。新APIも対応していません。だからMacbook Air 2011 (Intel Core i5)ならば使えるライブ変換機能が、Macbook Late 2008では「そもそも動作しない」という結果になります。
(Macbook Late 2008の最終対応OSのEI Captitanで初代ライブ変換機能が実装されたけど、あれは試験的なものでしたからねえ)
もっさりとした動作
Macbook Late 2008でCatalinaを使って感じるのが、「ともかく動きがもっさりしている」です。かつてモバイル用のノートPCで酷評された、Atomチップを使っているような感じです。
Appleはハードウェアスペックの高いマシンを製造して販売するポリシーがありますけど、さすがに10年以上経つと厳しいです。特にIntel Core ixよりも一世代前のCore2Duoを採用しているので、最新OSの動きについて来れません。
というか、「優れたハードウェアをフル活用したmacOSで、ユーザに素晴らしい体験を提供する」というのが会社方針です。ようやくマルチコアとなったばかりのMacbook Late 2008 (2スレッド)では、Macbook Air 2011 13インチ(4スレッド)とは比較になりません。
Geekbenchというのでも、スコア291とスコア448じゃ相当な差です。Macbook Air 2011は、電源アダプタ等の関係で「ギリギリでサポート対象外」となりました。しかしMacbook Late 2008は「論外でサポート対象外」です。
実際に使ってみると、そのもっさりとした遅い動きを体感できます。止めておいた方が良いです。
Windows 10ならば使える
一方でWindows 10環境であれば、Macbook Late 2008は現役で活躍できるレベルです。
と、いうのも、Windows 10はタブレット端末も含めた「幅広いデバイス」に対応できるように開発されています。CPUやGPUが古いパソコンでも、そこそも快適に動作するように設計&開発されています。
その代わりにWindowsで問題となるのがメモリ消費量です。Windowsでは処理を高速化するため、メモリにデータを置いておく傾向があります。いちいち内蔵ディスクにデータを読み書きするよりも、その方がプログラムの平均的な実行速度は高速化します。
これはWindowsに限らず、Google Chromeなども同様です。Microsoft Edgeよりもメモリ消費量が多いことで有名です。
もともとWindowsは32bit版だと最大4GBのメモリしか使用できませんでした。しかしこれでは不十分とのことで、今ではメモリは8GB以上が欲しいと言われています。
Appleが保証するMacbook Late 2008の最大メモリ容量は4GBです。しかしアーキテクチャ的には8GBで動作するように開発されており、我が家のMacbook Late 2008も8GBメモリで動作しています。
そのおかげで64bit版Windows 10を動作させるのに約4GBを消費し、Google Chromeで残りの4GBを使い切るようなイメージです。Webの調べ物が多いので、Google Chromeのタブを沢山開くことが多いのです。
なお最新技術に対応するには役不足ですけれども、Macbook Late 2008では高性能GPU(NVIDIA GeForce 9400M)が採用されました。おかげで最大2560×1600ピクセルの表示が可能です。
会社の職場では、現在でも1920×1080ピクセルの外部接続ディスプレイだし、自宅でも同じ解像度のディスプレイを2台使っています。
さすがに動画を取ったり、画像付きビデオ会議を長時間やろうとすると、冷却ファンがうるさく回転するようになります。しかし普通にWebやMicrosoft Officeを使っている分には、まだまだ十分に現役で活躍してくれます。
お嬢様が学校で使用するのはChorme Book C214MAですけど、そちらはメモリが4GBしかありません。そう考えると、まだまだ十分に使えるスペックです。
[chat face=”mikan2.jpg” name=”Mikanお嬢様” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]そうなんだー[/chat]
デザインと実用性のバランス
それからMacbook Late 2008で最も素晴らしいのが、「見た目(外観)」です。当時はアルミニウムボディは珍しかったです。最新のMacbookでもアルミニウムボディが採用されており、見た目はどちらも格好良いです。
ちょっと違うのは、Macbook Late 2008は軽量化対策されていないので、2kgもあることです。これは当時でも、ちょっと重いと話題でした。
ただし昨今のご時世では、ノートPCを持ち歩く機会が大幅に減りました。だから最新Macbookと違って2kgであっても、重さは殆ど苦になりません。
家庭内ならば、気軽に持ち運べる重量です。そういえば1年前にはお嬢様が自室に持ち込んで勝手に使う事件があり、学校まで巻き込んだ大騒ぎとなったことがありました。
[chat face=”mikan2.jpg” name=”Mikanお嬢様” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]何のことかな? もう覚えていないけど? (冷や汗タラタラ…)[/chat]
まとめ
以上のように、もともとMacbook Late 2008で使って良いのか微妙なCatalinaですけれども、私から見ると全く使いものになりません。お嬢様も、あまりのモッサリ感(遅さ)にビックリしていました。
だからMacbook Late 2008でCatalinaとWindows 10を併用したいと考えている相談者さんには、潔く諦めることをオススメしたいです。
ちなみに私はちょっとした設定ミスをやったら、Startup ManagerにはWindows 10しか表示されない状態となってしまいました。なんとなくCore2duoとAPFSの相性には問題がありそうな気がします。
(APFSはMacbook Air 2011の最終サポートOSであるHigh Sierraから正式採用された最新ファイルシステムです)
そしてこうやって検証テストをやってみると、Appleが売上のために古いMacbookのサポートを遠慮なく打ち切っているのではなく、ハードウェアの対応状況を踏まえてサポートを打ち切っていることが分かります。
だからAppleがサポート外にしているMacbookに、無理やり最新macOSをインストールして使うのは愚策です。Macbook Late 2008ならば、Mac OS X EI CatpitanとWindows 10の組み合わせで使用するのが良いでしょう。
(AppleとしてはWindows 7までしか正式サポートしていませんが、MicrosoftがWindows側の都合でWindows 10動作を保証してくれました。だからMicrosoftは、古いMacbook用のドライバを今でもサポートしてくれている訳です。いつまで続くのかは分かりませんけど)
それでは今回は、この辺で。ではまた。
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記事作成:よつばせい