【2018年ランキング】使い勝手の良い油性ボールペン TOP10
さて今年は筆記具に関して、いろいろなことがあった1年だった。使い勝手の良いボールペンの順位変動も発生した。
ようやく2018年末になって落ち着いたので、ランキング&解説という形で紹介したいと思う。
- ファーバーカステル 伯爵コレクション
- ファーバーカステル ギロシェ
- モンブラン マイスターシュテュック
- クロス タウンゼント
- ファーバーカステル イントゥイション
- モンブラン スターウォーカー
- クロス アベンチュラ
- モンブラン ジェネレーション
- クロス ニューセンチュリー2
- クロス クラッシックセンチュリー
(1) ファーバーカステル 伯爵コレクション
自分でも意外だったのが、このファーバーカステル 伯爵コレクションだ。
見ての通り、一見するとデザイン重視であり、使い勝手を全く気にしていないように感じられる。基本的には、その通りのような気がする。
そもそも内部は金属製なので32gと重量級だが、外側は木軸である。先端は槍のように伸びており、鉛筆しか使ったことがなければ、さぞ持つ時に困惑するだろうと推察する。
しかしファーバーカステルで特筆すべきは、パーカー互換芯を採用していることである。このため、パーカー互換タンク形式の三菱ジェットストリームさえ販売されている。だから、自分の持ち方にあったインクを選ぶことが可能だ。
それだけではない。プラスチック芯タイプの三菱ジェットストリーム(芯径1.0mm)や、三菱パワータンクも替え芯として利用可能なのだ。
無理だと主張なさる方は、下記の画像をご覧いただきたい。
これは解体してみて分かったのだが、画像左側のように、ファーバーカステルはペン先のバネ(スプリング)も独特な形状をしている。
これを右側のような普通のスプリングに交換すると、プラスチック芯タイプのジェットストリームや、三菱パワータンクが替え芯に使えるようになる。
もちろんこれらの芯は、ペン先の穴の大きさよりも小さい。そのためにカタカタと音を立てることがある。これは透明マニキュアを塗ったり、数mm角のセロテープを貼って対策をする必要がある。
本日時点での私のメイン筆記具であり、今のところは三菱ジェットストリームの0.5mmプラスチック芯を利用している。
ちなみにジェットストリームのタンク式でも0.5mmが存在する。どうやらタンク式の方が、プラスチック芯や4c芯よりもインクフローが安定しているらしい。4C芯の0.7mmではZEBRAも含めて、モレスキン手帳で不具合(掠れ)に何度も遭遇した。それでわざわざ、モレスキン手帳との相性を確かめるためにジェットストリーム0.5mmを利用している次第である。
なお私が三菱パワータンクに拘るのは、Amazon等の評価レビューをご覧いただくとお分かりのように、書く場所や姿勢を選ばないという特長がある。モレスキンのような特殊な手帳にも、全く問題を起こさずに書き込むことが出来る。
非常に頼りがいのあるインクであると言える。
https://www.note1005.com/?p=511
(2) ファーバーカステル ギロシェ
2位も同じファーバーカステルのボールペンだ。
基本的には伯爵コレクションと同じで、幅広いインクを利用することが出来る。
ただしギロシェの形状は、伯爵コレクションほど先端部が尖っていない。重量も27gと標準的な重さである。そのせいか、普段はボディ(軸)のバランスが今一つとなる。
しかしこれは、芯を出すと重心が前側に移動し、使いやすいバランスとなる。神戸の万年筆屋の店長が、上述の伯爵コレクションの前に使用していたというのも納得できる品質である。
(3) モンブラン マイスターシュテュック
昔から存在し、ボールペンの代名詞とも言えるような存在である。重量は23gと軽く、太さも重心も申し分ない。
正月に家内の実家へ行ったら、義父の筆記具箱の中に、クロスのクラッシックセンチュリーと共に収納されているのを発見した。
そのくらい大変に有名なボールペンであり、近所の百均にもソックリさんが存在する。特にホワイトスターは知名度が高い。
おまけに4c芯、三菱パワータンク、プラスチック芯のジェットストリーム(1.0mm)も利用可能である。
ただし残念ながらタンク式のジェットストリームを替え芯に利用することは出来ない。少なくともペン先部を棒ヤスリで改造する必要がある。(本当に残念だが、実際に試したことはない)
(4) クロス タウンゼント
クロスが会社の代表的存在と位置付けるボールペン。雰囲気はモンブランのマイスターシュテュックと酷似している。
これはペン先を改造することにより、メーカー保証外になってしまうが、ジェットストリームの4c芯やプラスチック芯(1.0mm)を使うことが出来る。
ただし実際に改造してみて分かったのだけれども、どうもタウンゼントにクロスの純正芯がしっくりするような気がしている。かつてはダマが出来て我慢できなかった純正芯だけれども、最近は随分と改善されたようである。
米国とのやりとりの多い課長はタウンゼントがメインのボールペンであり、私もカバンの中に常備させている。
https://www.note1005.com/?p=559
(5) ファーバーカステル イントゥイション
2009年に登場した商品。バブルの後に登場したのに、かなり良いお値段である。伯爵コレクションの新メニューだそうだけれども、替え芯に関しては従来品と同じ対応が可能である。
軸が太く、従来モデルよりもペリカンのような実用品に近いイメージになっている。ファーバーカステルらしい尖った雰囲気は全く無い。興味本位で購入してみたけれども、一体どのような人が購入するのか不思議で仕方がない。
なおモンブランはネット販売に消極的なので取り扱い店舗が少ないが、クロスとファーバーカステルはAmazon Japanでも取り扱っている。互換芯としては、日本では三菱鉛筆のSK-8が有名である。
海外Amazon等では互換替え芯が多数販売されているが、評価レビューの結果は相当芳しくない模様。米国Amazonでは2本セットが格安価格となっており、Amazon Japanが取り扱い開始したら、喜ぶユーザは相当数に及ぶと予想される。
(6) モンブラン スターウォーカー
もともとは競合会社のトップ営業が使っていたので購入してみた商品。社外で逆にホワイトスターを指摘されること等があったりしたが、しばらく前まではマッキープロでホワイトスターを塗り潰して使っていた。
替え芯に関してはモンブランのマイスター・シュテュックと同じである。マイスター・シュテュックは常にYシャツの胸ポケットに刺し、こちらを机上に置いてメイン筆記具として利用していた。
しかし2018年4月1日より新任の事業主管と被ってしまった。現在はファーバーカステルに居場所を明け渡し、ペンスタンドでお休み中となっている。
さすがにメインボールペンとして使い続けているだけのお気に入りだけあって、実はホワイトスターを人工ダイヤモンドで置き換えた “スター・プラチナ” (ジョジョの奇妙な冒険のスタンド名と同じ)も保有していたりする。
(7) クロス アベンチュラ
クロスで最もお手頃な “入門品” として紹介されているが、見た目も持った感じも、モンブランのマイスター・シュテュックを一回り大きくしたような雰囲気を持っている。樹脂製で24gと、クロスでは軽い部類に属する。
同じクロスのタウンゼントと比較すると、ペン先がブレないように金属穴が細長い形状になっている。このためジェットストリームを利用することは可能だが、プラスチック芯(1.0mm)に対応させるための改造作業には手間暇が必要である。
https://www.note1005.com/?p=604
(8) モンブラン ジェネレーション
現在では廃番となり、クルーズ・コレクションというものが後継商品となっている。マイスター・シュテュックと同程度の長さだが、太さは細目になっている。
ファーバーカステルのギロシェ並みに使いやすく、本国ドイツでは類似品が廉価商品として販売されており、それが最も売れ筋になっているという噂も飛び交っている。(真偽は未確認)
(9) クロス ニューセンチュリー2
1993年に誕生したタウンゼントに続き、1996年に誕生した商品。従来のクラッシックセンチュリーと同じ長さで、一回り軸径が大きくなっている。約28gと、スターウォーカーと同じ重量である。
聞くところではトランプ大統領が、ジェルタイプのニューセンチュリー2を利用している。オバマ元大統領も同じくクロス利用者だったが、こちらはタウンゼントのジェルタイプを使用していたとのこと。
(10) クロス クラッシックセンチュリー
義父だけでなく、私の父親も保有していたボールペン。二人とも、最もお手頃価格な “クローム” だった。
このボールペンも他クロス製品と同様、三菱ジェットストームや三菱SK-8が利用可能である。
おおよそ、以上である。
クロスは替え芯が細いため、代用可能なプラスチック芯や4c芯のボールペンはインクフローが安定しない傾向があると指摘されている。私もまさに指摘された事象に遭遇しており、米国とのお付き合い等の事情がない限りは、パーカータイプのボディ(軸)が無難であると言えそうだと感じている。
また三菱SK-8のインクフローは渋めだと感じている。最近はクロスの純正芯も品質向上したので、わざわざZEBRAや三菱鉛筆の替え芯を利用する必然性が低下している。
Amazonの2本セット売りだと、替え芯代を350円/月と半額程度に抑えることが可能である。日本でも取り扱われることを、強く希望する次第である。