[湘南日記] 2本目のダースベイダー卿ボールペンを購入した父ちゃん

ダースベイダーのボールペン

 ダースベイダー卿のボールペンは、限定1,977本の生産である。価格も2022年12月3日時点ではクロスの他ピアレス125と同じく、税込み60,500円(税抜き55,000円)に設定されている。

 この恐れ多いダースベイダー卿モデルのピアレス125を、僕は2本も購入してしまった。
 予想のつかない行動というのは戦略的には大切なことだけれども、ここまで来るとダークサイドに堕ちてしまった状態に近いかもしれない。
(誰だ?「父ちゃんはダースベイダーそのものだ!」と言うヤツは?)

 今回はどうしてそこまでダースベイダー卿のボールペンが素晴らしいと言えるのか、じっくりと紹介させて頂くことにしたい。

究極の使いやすさ

 かつて僕は、モンブランのジェネレーションというボールペンを使っていた時期がある。これはジェネレーションはジェネレーションでも、ボールペン軸を回してペン先を出すツイスト式ではない。
 万年筆のように、キャップ式のボールペンだった。
 最初にゼブラのSARASA替芯を装着した時には、ジェルインク特有のサラサラ感に感動したものだ。

 ただしYシャツの胸ポケットに収納して使いまわしているうちに、行方不明になってしまった。僕のようにペン先を出しっ放しにする習慣のある粗忽者にはピッタリだったけれども、既に販売終了済みだった。
 モンブランも高級ブランド路線を歩み始めたこともあり、なかなか買い直す気にはなれなかった。
 今にして思えば、三菱鉛筆シグノ替芯へ変更していたのが良くなかったのかもしれない。モンブランの純正芯インクはSARASAのようにサラサラ系であり、シグノは顔料インクなどの影響なのかネットリ感がある。
 だから軽いレジン樹脂のジェネレーション本体とは、今一つ相性が良くなかったという訳だ。

 さて一方のダースベイダー卿のボールペン… クロスのピアレス125だけれども、これは趣が異なる。
 モンブランのジェネレーションと見た目は瓜二つなのだけれども、金属製なのだ。キャップを外しても31gという重量がある。おかげでSARASA替芯に限らず、シグノ替芯でも快適に使える。
 そして… ダースベイダーの赤いライトセイバーよろしく、シリコン製の輪ゴムを巻き付けると、僕にとって過去なかったほどの「握りやすさ」が実現される。

ダースベイダーのボールペン
 
 念のために捕捉しておくと、もちろん輪ゴムなど巻き付けなくても快適だ。ただし僕は長時間のメモを取るライター?であり、「ほんの少しの違いが大きな違い」となる。
 別にダークサイドに囚われて、変な道を突っ走っている訳ではない… と思う。
 おそらく、たぶん。

 ちなみに欧米人は筆記具の重心を後ろ側に持ってくるのが好きらしいが、僕はできるだけ前方に持ってくるのが好きだ。

クロスのピアレス125

 これは何をやっているかというと、ゼブラのサラサ・ドライという替芯(JLV0.4)からプラスチック部分を削り、その代わりに鉛シートを装着している。
 そうするとピアレス125の本体重量は31gから34gへとアップする。
「わずか3gだけ重くするのに、そんなに手間暇かけているのか!」と、笑ってはいけない。その3gが前方に加わるのだから、重心バランスは大きく変わる。
 実際に使った本人にしか分からない… そもそも前方重心は僕の好みなのだけれども、ここまでやると「唯一無二」の友になる。
 ジェダイ騎士がライトセイバーに拘りをもって改造したように、自分の筆記具を改造したような気持になってくる。
 あまりに快適になるので、「ともかく何でも構わないから書き続けていたい」という気持ちさえ芽生えて来る。こうなるともう、ライトセイバーというよりも妖刀に近くなって来る。

 クロスの最高峰モデルだから、キャップ部分にも装飾がある。ダースベイダーがモチーフなので、ルビーのようなものが埋め込まれている。

 ここから光の棒が飛び出したら、まさにライトセイバーというところだろうか。ともかくこういったギミックが、Star Warsのダースベイダー卿ボールペンといった感じを醸し出してくれる。
 そういった訳で、今のところダースベイダーのボールペンは「握りやすさNO.1」の地位を占めている。だからその分だけ紛失した時のダメージも大きくなる訳で、予備用として日本目を購入した僕の気持ちを分かってくれるだろうか。
(ちなみにノーマルなクロスのピアレス125はCrossロゴが目立ち過ぎるし、イマイチ僕の守備範囲には入っていない)

(ちなみに僕は金属アレルギーであり、いつかラテックス(ゴム)アレルギーになるのも恐い。それで普通の輪ゴムではなくて、わざわざシリコン製の輪ゴムを購入して使っている)

ダースベイダーの弱点

 さてこうやって現時点では最強を誇るダースベイダーのボールペンだけれども、もちろん弱点はある。
 それも「二つ」だ。

 一つ目は言うまでもなく、「高価だ… 高価すぎる!」である。
 スターウォーズのファンだからといって、気軽に購入できるものではない。高級ボールペンとしても、相当な壁を越えたお値段である。
 これは明らかに弱点だと言い切っても構わないだろう。

 さて二つ目の弱点としては、「重さ」がある。
 いくら重いボールペンを好む者が多いといっても、改造した替芯のダースベイダーのボールペンは51gもある。モンブランのマイスターシュテュックだと2本分に相当する。
 だからこんなに重くて太いボールペン、ワイシャツの胸ポケットに収納するには無理がある。
 もちろんスマホに比べれば軽いので、見た目を気にしなければワイシャツ格納も悪くないだろう。キャップ式だから事故は起こらない。
 それからプラス思考で見ると、重いからワイシャツの胸ポケットに収納するのは、よほどの事態に限定される。だから持ち歩くということが少なくなり、ダースベイダーのボールペンを紛失するというリスクも減少する。

 まあフォースを使えば軽くすることも出来るだろうけど、そもそも僕はジェダイの騎士などではない。それに51g程度ならば、わざわざ軽くする必要もないだろう。

 そんな訳で今のところ、僕は天下無敵のダースベイダー父ちゃん道を突き進んでいるのであった。

まとめ

 以上の通りで、ダースベイダー卿ボールペンは完全無欠ではないけれども、極めて強力な筆記具アイテムだと言える。僕が思わず2本も購入してしまった気持ちをご理解いただけるだろうか。

 ちなみに弘法も筆の誤りというか、コピーライターの糸井重里氏も0.9mmシャープペンシルを経てキャップレス万年筆の使い手となった。
 三食… 三色ボールペンや四色ボールペンを布教する東大卒の大学教授もいるし、プロは道具を選ぶのである。わずかな違いが決定的な差を生み出すという訳だ。

 そして… 実はダースベイダー卿のボールペンには、まだ続きがあるのだった。それは3本目…

 これはまた、別な機会にお話しさせて頂くことにしよう。

 それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:小野谷静