マイスターシュテュックにシグノ307を装着することに成功!

替芯を捻って出し入れするツイスト(回転)式ボールペンのモンブランのマイスターシュテュックに、シグノ307替芯の装着に成功しました!

百円ショップでも販売されている、あのノック式ボールペンのジャンボ替芯です。

難易度の高さがハンパではなく、上手く行ったのは「ふと気づいた工夫」のおかげです。

事実上、”クロスの油性ボールペン軸を除く全てのボールペン” への装着に成功したといっても良いでしょう。

職場のコスパ派ボールペン族と同じシグノ307替芯ですけど、それは今までのジェットストリームでも同じです。

久しぶりにあった高校時代の同級生はノック式SARASA CLIPを胸ポケットに刺していたし、キャップなし(ツイスト)式ボールペンでのシグノ307ニーズも存在するかと思います。

そこで今回はどうやってシグノのシグノ307装着に成功したのかを解説することにします。

(ちなみにローラーボールタイプは、タンクの手前部分にセロテープを少し巻き付ける(ぐらつき防止)だけで装着可能です)

シグノ307 in マイスターシュテュック

「もしかしたら、四葉静ならば何とかしてくれるじゃないか」と期待して下さっていた方には朗報です。

シグノ307(UMR-83E)の0.38mm芯は2本購入しましたけど、2本とも無事に問題なく加工&装着できました。

1回だけヒヤリとしましたけど、うっかり手元が狂っても「ヒヤリ」程度で済みました。先に失敗した0.5mm芯に比べると、難易度は「天と地の差」です。

それでは早速、加工方法を解説して行きます。

まずは通常加工

細かい技術的内容は、辞書的に使えるように新設した「ボールペン替芯と互換芯」サイトに掲載してあります。

まずはペン先部分のプラスチックを削ります。削る方向は、ペン先からタンク側にすると楽です。ペン先の金属と同じ太さまで削ることが容易ですから。

いつものように、あせることなく少しずつ作業していきます。(一撃で決めようとすると、さすがにプラスチックなので手元がブレて「ゲームオーバー」となる可能性が高くなってしまいます)

で、先端側が終わったら、今後はタンク本体側です。こちらもペン先と同じ方向が楽です。つまりタンクの後端の方向に削っていくことになります。

まずは角張った部分を取り去り、少しずつ円錐形にしていきます。これもあせることなく、少しずつ作業していくのが良いです。削りかすが大量に生じますけど、一撃必殺で「ゲームオーバー」よりはマシです。

これらの作業が終わった時点で、クロスのローラーボールやモンブランのスターウォーカーに装着可能なレベルになっているかと思います。

スターウォーカー用シグノ307

そして最終加工

そして最終加工を実施します。プラスチック芯のタンク部分をファーバーカステルのイントゥイション時のように、0.3-0.5mm程度だけ、鰹節のように薄く削って行くのです。

ちなみにこの削る向きは、今までとは逆向きです。つまりタンク後端からペン先の方に、鉛筆の芯を削るような感覚で削って行きます。

これは私にも意外だったのですけど、ほんの少しだけ削れば大丈夫です。大体1cmくらいです。

理由は恐れ多くもモンブランのマイスターシュテュックという高級ボールペンを分解してみると分かるのですが、口金の部分に少しだけフィットしていないのです。

したがって口金部分を問題なく通過できるように、少しだけシグノ307プラスチック替芯を削ってやれば良いのです。(もしかするとプラスチック替芯によっては、何もしなくても大丈夫なタイプが存在するかもしれません)

ただし一つ残念なのは、下記画像をご覧の通りでして、芯の細くなっている部分が短いです。したがってマイスターシュテュック油性ボールペン内部のスプリングを交換することが必要になります。

ついでに説明しておくと、金属芯はモンブランの印字がないことからお察しつくかもしれませんが、ドイツから取り寄せた互換芯です。モンブランの純正芯には存在しない「水性インク」です。これでは全く満足できず、今回のシグノ水性インク(シグノ307)装着という話の流れになっています。

そして大型付箋紙を巻いているのは、ジェットストリームのプラスチック芯です。こちらもマイスターシュテュックに装着する場合には、ペン先のプラスチックを削る加工が必要となっています。

なおスプリングを外す方法ですが、私はクリップを使っています。ボールペン本体の口金部分からクリップの先端を差し込みます。固定されていないので、特に力を入れずに簡単に取り外すことが出来ます。

もちろんスプリングなしでは問題なので、代わりに適当なスプリングを装着します。たしか私は、SARASA CLIPか何かのノック式ボールペンのスプリングを流用しています。

これで作業は完了です。あとは快適なシグノ307ライフを楽しむことが出来るようになります。

実用的なシグノ307

さてシグノ307の加工に成功したおかげで、今ではブラックとブルーを快適に利用できています。特にブルーは私好みの色で、大変に気に入っています。ちなみに太さは0.38mmです。0.5mmは、今一つ私の感性には合わないようです。

なおシグノ307がシグノ207から改善された箇所の技術的説明は、すでにクロスのへの装着記事で語っているので今回は省略させて下さい。

それにしても実際に使ってみると分かりますけど、たしかに速乾性に優れています。おまけに顔料インクなので、滲みは少ないです。低粘度油性インクのジェットストリームとも、良い勝負です。

ちなみにどこまでも腕に負担をかけずに軽く書きたいということならば、ジェットストリームを選択するのが良いでしょう。それに僅かとはいえ、滲みは存在します。

一方でペン先を思い通りに動かして、少しでもキレイな文字を書きたいという人はシグノのシグノ307が似合っています。それから私のように、万年筆から転向したような者には、シグノ307の方が慣れやすいです。

もちろんモンブランは純正芯が良いですし、今では豊富なカラーバリエーションの替芯がモンブランから提供されています。あまり大量に筆記する必要がない場合は、当然ながら純正芯を利用することがオススメとなります。

何はともあれ、シグノのシグノ307が無事にマイスターシュテュックで利用できるようになりました。嬉しい限りです。この件に関しては、喜んで下さる方も多いのではないでしょうか。

まとめ

以上が、シグノのシグノ307をモンブランのマイスターシュテュックへ装着する作業の段取りでした。実際にやってみると、驚くほどアッサリと終わってしまいます。

なお今回の反省としては、最初は「もうだめだ」ムードに浸っていたことでしょうか。某スラムダンクというバスケットボール漫画の安西監督も、「あきらめたら、そこでゲームセットですよ」とおっしゃってました。

エンジニアとしては、課題となる点を明確に分析することが大切だと、あらためて思い知らされた一件でもありました。

それにしても私は今までキャップ式(ローラーボール)のモンブラン・ジェネレーションでシグノを利用していましたが、やっぱりツイスト式ボールペンの方が便利です。

それに昔はYシャツの胸ポケットをインクで汚して怒られましたが、今ではご覧のような透明ペンケースが存在します。

そろそろ1年近くが経過しますが、まだ1回も胸ポケットが汚れる事件は起きていません。奥さんも喜んでくれています。

シグノ307と高級ボールペンのマイスターシュテュックのおかげで、何だか字も少しだけキレイに書けるようになった気がするのも嬉しいです。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事執筆:四葉静