【万年筆の定番】ペリカンのスーベレーンM400の使い心地は素晴らしかったが…
こんにちは、ヒツジ執事です。
執事アイテムの定番と言えば、万年筆と言えるかと思います。
先日の記事で説明したように、私は中学生から大学生の10年以上も万年筆を使って来ました。
しかし万年筆の定番とも言えるペリカンのスーベレーンM400を持っていながら、油性ボールペンを使い続けているのです。
これは思い入れなどもありますけど、万年筆という繊細な筆記具が私に似合わないというのが、最大の理由です。
今回は何がどう繊細なのかを紹介させて頂きたいと思います。
M400は素晴らしい
まず最初に断っておくと、ペリカンのスーベレーンM400は「万年筆の定番」と呼ばれるだけあって、本当に素晴らしい筆記具です。
そもそも見た目がオシャレです。ペリカンのマーク、カッコ良いですね。
私はペン先がF(細字)とEF(極細)の2本を購入しました。
本体軸(ボディ)の軸径は12mmです。キャップなしで126mmで、キャップをつけた状態で149mmです。
この状態だと、モンブランのマイスター・シュテュックP164油性ボールペンの141mmに近いです。
キャップを付けても、付けなくてもバランスが良いです。自然な形で持つことが出来ます。軸径12mmなので鉛筆よりも太いですけど、小柄な女性でも問題ないサイズです。
それからペン先(ニブ)ですけど、標準的な形状です。
細軸の万年筆だと、同じ14金(14K)でも “頼りない雰囲気のストレート型” となりますが、こちらは横幅が広くなって安定感を醸し出しています。
実際、「さすがは世界に冠たるペリカンだなあ」と、驚くほど自然な硬さです。
手に持った時の感覚も、無粋な金属軸ではなくてセルロース・アテセートなので、暖かい感じです。
別に私でなくても、この一本で満足できるでしょう。
使わない理由
M400の優れた点を挙げていくと、キリがありません。
そろそろどうして、執事アイテムの万年筆を使っていない理由を説明することにしましょう。
未調整である
万年筆というのは、ペン先の微妙な形状の違いや、インクフローが大きな差となって表れます。
だからこそ奥が深く、楽しい世界とも言えるでしょう。
そして5,000円の国産万年筆であれば、最初から「平均的な日本人」向けの設定で出荷することが出来ます。
手が太くて短いヒツジ執事ですが、身長は日本人平均そのものです。
そして中学生の時は、「ともかく筆圧を下げることを可能にする訓練」から始まりました。その間に、ペン先やインクフローも私向けに変化して行きました。
はい、正直に告白すると、少しペン先を押してインクフローを調整してみたことがあります。
しかし少なくとも私がネットで「少しでも安く」と頑張って購入したM400は、完全に未調整でした。
一本は、「ガリガリ」という引っ掛かりまで感じられる程でした。
言い訳をすると、予算もさることながら、忙しくてお店を訪問することが出来ませんでした。
理想的には、私の持ち方に合わせて、ペン先を研磨したりインクフローを調整して販売する筆記具です。
暇が出来たらペンクリニックに持参したり、有料で調整して貰いにお店へ出向こうと考えていました。しかしいろいろ事情があって、それどころではありませんでした。
一か月ほど我慢して使っていましたが、一向に状況は改善しませんでした。
回転式のキャップ
そして不幸なことに、ペリカンのスーベレーンは回転式のキャップを採用しています。
当時の私は机に向かって、のんびりと筆を運ぶような状況ではありませんでした。
ともかく急いで書く必要が生じるといった感じで、くるくるキャップを回すのがストレスになる程でした。
いちおう承知して購入したつもりでしたが、思ったよりもくるくると回す必要があります。これは大誤算でした。
インクは吸引式
最初のうちは珍しいので楽しんでいましたが、カートリッジを使えないのは相当辛いです。
もちろんインクの残量は簡単にチェックできるのですが、だんだん使うたびにチェックしたり、小まめに補充するのが面倒になって行きました。
カートリッジ式だと、予備を持ち歩けば全く問題なかったです。
この点も計算外でした。
EFでも太い
なんでも国産の万年筆は、海外の万年筆よりもワンランク細字を書くのに設定されているのだそうです。
だから国産のF(細字)が、海外のEF(極細)に相当するのだそうです。
実際に使ってみた感じも、その通りでした。
特に私はYシャツの胸ポケットに入れるような、超小型システム手帳を使うことも多かったです。
そのような紙に書き込むには、M400のEFでさえ今一つでした。
飛行機の不安
最近は大抵の万年筆が対応済みとのことですが、飛行機は気圧が大きく変化します。
結婚した時の条件が、「一年に一回は海外旅行へ連れて行くこと」でした。
その時だけ別な筆記具を持参するというのも、なんか気分的に「使いたい気持ち」をトーンダウンさせるのに影響あったようです。
もうここまで来ると、「使わない理由を探す」というような感じでしょうか。
購入してから日数が経過するにつれ、M400の出番は減って行きました。
ゲルインク・ボールペン
そして私の学生時代と大きく異なったのが、ゲルインク・ボールペンの普及です。
画像のボールペンは、”トンボ鉛筆 水性ボールペン ZOOM 505″というものです。後端を切ることによって、シグノとかサラサのノック式ボールペン替え芯(リフィル)を利用することができます。
またモンブランでもジェネレーション・シリーズのローラーボールペンが登場したりして、万年筆の売れ行きが大きく落ち込みました。
私も無理して万年筆を使うよりも、「なんちゃって万年筆」のように使えるキャップ式ボールペンを使う機会が増えて行きました。
とどめはモンブラン
そして最後のとどめは、モンブランの油性ボールペンでお馴染みの “ジャイアント・リフィル(替え芯)” です。
これがスルスルと書き心地が良く、事務用ボールペンでは想像できなかったような書き心地を実現してくれました。
ちょっと財布には優しくないですけど、これならば世界中のどこへでも持参出来ます。
ちなみに当時の取引先の社長さんは、モンブランのマイスターシュテュック149のB(太字)を使っていました。
華麗にバイブルサイズのシステム手帳にメモ書きなさっていましたが、海外出張の時には持参しなかったとのことです。
こちらもマイスターシュテュック油性ボールペンであれば、気後れすることもありません。
そのようなこともあって、さらにペリカンのスーベレーンM400万年筆は、居場所を失って行きました。
まとめ
私は使い込みませんでしたが、ペリカンのスーベレーンM400は素晴らしい万年筆です。
もう少し自分に余裕があれば、おそらく今も万年筆派だっただろうに… と、残念に思うこともあります。
しかし後悔しても、一度外れてしまうと、元の道に戻るのは難しいです。
それにモンブランのマイスター・シュテュックやダンヒルのサイドカーを始めとして、油性ボールペンも「事務用の備品」を卒業した逸品が多いです。
私の場合、これで良かったのだと思います。
ただし数多くのボールペンを購入するに至ったのは、少々計算外でしたけど。
(義父ほどでは無いので、その辺は一安心ですね。ね、奥さんからネコ父と呼ばれていたお義父さん?)
それでは今日は、この辺で。
ではまた。