[湘南日記] 文房具を卒業して英語ブロガーになってくれと言われた父ちゃん
某月某日、文房具のブログ記事を書こうとしてメンテナンスしていたら、子供に言われてしまった。
「父ちゃん、英語ブログを書いた方がいいんじゃないか?」
そのコメントが、元旦から頑張ろうとしていた父ちゃんに深々と突き刺さってしまった。
たしかにその通りだからだ。
僕は元エンジニアだから、どうしても文房具のような “モノ” に拘ってしまう。
それで数年ぶりにブログを再開した際は雑記、英語、文房具、自転車を各テーマとした4ブログを開設した。
しかし実際のところ、2005年に開設したブログは英語学習をテーマとしていた。あの頃は英語を勉強しており、TOEICスコア900を超えることが目標だったからだ。
そのブログは見事に成功し、英語学習ではちょっとした存在となった。
実のところ、英語教師のブログに興味を持つ人は多くない。英語学習法に興味を持つ人は多いけれども、そんなノウハウは一時的なものに過ぎない。
それに英語といっても、レベルによって必要となるものが異なる。
単語、熟語、動詞といったものを解説しても人気は得られない。
参考書などで勉強すれば良い。
だから僕のようにTOEIC900到達を目指すような「なろう」系ブログが人気を得た。
米国や英国で刊行されたばかりのミステリー小説などを解説したのも良かった。ミステリーじゃないけど、ハリポタの最終巻を紹介した時なんか圧倒的だった。
だから2009年には開設していたYoutubeチャンネルの方は放置したままだった。
しかし月日の流れというのは残酷だ
誰も彼もがブロガーやYoutuberとなり、かつてのインフルエンサーも「ただの人」となってしまった。
僕がブログを休止していた数年間の間に、世の中は大きく変わってしまった。
おまけTOEICスコアはめでたく950を超えてしまったので、「なろう」がなくなってしまった。
(翻訳書よりも原書の方が読みやすいという段階まで到達してしまった)
だからブログを再開した時には自信がなくて、新たに4テーマで4ブログを開設したという訳だ。
自分で言うのも何だけれども、この作戦はヒットしたと思う。
1つのブログでは昔の栄光を取り戻すことは出来なかったけれども、4つ合計すれば昔並みのアクセスを獲得できた。
ただしそれでも、国内トップの10MPM/月アクセスに比べると数パーセントに過ぎず、「そこそこ」止まりだった。
それに再開時は順調だったけれども、仕事にかまけて放置していたら3つは衰退してしまった。
かろうじて1つだけ残ったのが、文房具ブログという訳だ。
いや生き残ったというのは僭越で、我が家のいつ壊れるとも分からないテレビ並みに将来性は不透明になってしまった。
そういうこともあって最近は、まず文房具ブログを立て直しながら雑記ブログをやろうかなあ… と考えていたところだった。
しかしそれさえも、実のところは難しかった。
新型コロナ禍をキッカケとしたのか、子供がモリモリと勉強する意欲を出せなくなってしまったのだ。
「宿題はちゃんとやらないとダメだとは思っているよ。でも…」という訳だ。
「やる気はあるのか?」
「うん」
「でもリビングにいてもダメなのか」
「うん」
「どうしてリビングにいるのに、宿題をやることが出来ないんだろう。自分で思い当たるところはあるかな?」
「ママがいても、なんか切迫感がないんだよねー」
「じゃあ、父ちゃんがリビングで仕事するか?」
「いや、父ちゃんだとプレッシャーかかり過ぎるっ!」
そんな問答を数回くり返した後、結局は僕がリビングに半常駐することになった。最初の頃は17.3インチ液晶モニターで仕事していたけれども、いつしか10インチのSurface Go画面だけで仕事できるようになってしまった。
人間、慣れというのは恐ろしいものだ。
いや、「慣れた」というのは間違いだ。
テーブルの片隅しか使えず、生活騒音でにぎやかなリビングだ。
今もノイズキャンセリングイヤホンを装着してブログ記事を書いている。明らかに業務効率はダウンしている。
しかしタキシード仮面山本様のごとく、「泣いてばかりでは何も解決しないぞ、セーラームーン」である。
気がついたら2023年になっている。
ここは一つ、年末に補充した文房具類で…
「父ちゃんは英語ブログをやった方がいいんじゃないか?」
晴天の霹靂のようなコメントが僕に深々と刺さったのは、そんな時だった。
「…」
たしかにリビングにいると、家族に振り回される毎日だ。
冷え切った物置部屋と違って温暖だけれども、あれこれと頑張ってしまう。
たしかにこれでは、集中して物事を考えるのは難しい。おまけに文房具といっても、僕のようなエンジニア的なアプローチだと “ペンチ” や “ニッパー” という工具が必要となる。
リビングで作業するというのは、自分にも他人にも好ましくなかった。
(テーブルの上にペンチが並んでいる光景にストレスを覚える人も存在するのだ)
うーん。
たしかに文房具というのは趣味的な世界だから人畜無害だけれども、昨今の世相とは相性が良くない。
僕は英語が得な元ITエンジニアで、現在は会社で事業戦略ストラテジストをやっている。まだIT業界の最新動向を英語で紹介した方が、ささやかだけれどもアクセスを稼げそうな気がする。
しかし人間というのは、やっぱり「なろう」系が一番人気じゃ……
ん、「なろう」って、問題や課題を克服して成長していく物語じゃないか。
そういえば…
目をこらすまでもなく、目の前には問題や課題を山のように抱えて、これから成長する必要のある “貴重な逸材” が存在する。
「英語、わたしの苦手な言葉です」でもある。
いやいや、「超苦手」と言えるような現状だ。
そして年明けには… いや英語の宿泊研修は、今や目前に迫っている。
今こそチャーチル英国元首相流の英語学習を実践してもらう時ではないだろうか。
昔は子供だったからプライバシー的な問題があったけれども、もう高校生になる日も近い。そもそも僕がアレコレと頑張るのは、最終的には子供のためだ。
実をいうと少しでも英語学習の負担を減らすべく、今のところは僕が電子辞書の代わりになっている。
そこまでやっているなら、いっそ英語指導のブログを頑張るのが良いんじゃないか?
かくして「自分で自分の首を絞める」ではないけれども、これからしばらくは子供の英語指導をテーマとすることにしたであった。
正月早々、またしても「めでたし、めでたし」である。
(「めでたくない」と言っている人がいるけど、ここは聞こえないフリをしておこう)
それでは今回は、この辺で。ではまた。
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記事作成:小野谷静