[ソードアートオンライン] ムタシーナの目的と正体
電撃文庫ソードアートオンライン第25巻の予告編が公開されました。
先の記事で予想した通り、第24巻で遭遇した大ピンチは何とか切り抜けたようです。
ただし一難去って、また一難です。アンダーワールドの状況も気になるところですけれども、ユナイタルリングでも大部隊との決戦が近づいて来ました。
この大部隊を指揮するのが仮想研究会のムタシーナなのですが、ストーリーに大きく関わる存在のようなので紹介させて頂くことにします。
(それにしても最近、仕事でもブログでも「仮想」が多い気がします)
予告編と試し読み
いつもは公式サイトで試し読みが開始される時期ですけれども、今回はまだ公開されていません。作者の川原礫氏はモーレツに忙しいとのことだったので、今回はギリギリのスケジュールで進行しているのかもしれません。
ちなみに正式なタイトルは、「ソードアート・オンライン25 ユナイタル・リングIV」です。いつも通りイラストは、abecさんです。
なんでも予告では、「《仮想研究会》ムタシーナとの決戦が、ついに幕を開ける――!」と大きく赤い文字の見出しが表示されています。
“ 亡き友と同じ目、同じ声を持つ仮面の男エオラインとの邂逅は、キリトに深い衝撃をもたらす。だが二つの仮想世界で同時進行する異変が、感傷にふけることを許さない。
「もしかしたらこれは、新たな異界戦争の端緒なのかもしれない」
二百年後の《アンダーワールド》に、再び訪れる動乱の予兆。
一方《ユナイタル・リング》では《仮想研究会》のムタシーナとの決戦が迫る。彼女が率いるのは、恐るべき窒息魔法《忌まわしき者の絞輪》に拘束された、百人もの大部隊。迎え撃つキリトたちは、圧倒的劣勢を跳ね返すべく策を練るが――。”
この予告編から分かるように、一体どうなるかと心配された第24巻のラスト場面ですが、とりあえず何とか切り抜けたようです。ただし第24巻で共闘した面々が味方になってくれたとしても、たしかに圧倒的な劣勢であることは確かでしょう。
特に今回は、黒幕に先手を取られたままです。一体どうやってユナイタル・リングのピンチを切り抜けていくのか、我が家のお嬢様も大いに気にしています。
(そういうこともあって、このような予想記事を書いていたりします)
ムタシーナの正体
さてそこで一気に核心に迫りますが、ムタシーナの正体です。推測通りだとすると、ユナイタル・リング編の根幹に関わって来ます。
そして彼女の正体は、冒頭画像のユナイタル・リングIである第23巻に記述されているように見えます。具体的にはピンクの付箋紙を貼った、96ページあたりです。
アスナの心情が語られている場面ですが、その時の彼女は憂鬱です。本来だったら進学していたはずの学校の制服を着た女の子(転入生)に帰還者学校で出会ってしまったからです。
その彼女の名前は、神邑樒さんです。私(四葉静)も他人のことは言えませんけど、実に書くことが面倒な氏名です。
さてこの名前、ふりがなでは「かむら・しきみ」とのことです。なんとなくムタシーナを連想させる読み方です。
ちなみにアスナの回想場面でも説明されていますけれども、彼女はカムラ社の創業者の娘さんだそうです。アスナはレクト社の社長令嬢であり、実はアスナは小中高一貫のお嬢様学校へ通っていました。
神邑樒はそのお嬢様学校(エテルナ女子学院)に転校して来た後、さらに帰還者学校へ転入して来たのだそうです。とりあえず私の知っているお嬢様学校の場合、外部編入は「聞いたことがない」レベルです。しかしここは小説なので、素直に受け入れることにしましょう。
それよりもカムラ社というと、あのオーディナルスケール編において、オーグマーを開発したメーカーです。アルゴ姐さんが菊岡さんから調査を依頼されていた企業でもあります。
かつて我が家のお嬢様からは目いっぱい否定されてしまいましたけれども、なにやらユナイタル・リングを管理しているのが、カムラ社であるような気がしないでもないです。
もしそうだとすると、ムタシーナの「普通ならば転送直後には持つことの出来ない魔力」を説明することが出来ます。
そう、神邑樒がムタシーナであるという訳です。
もうこれ以上の新キャラが登場すると混乱するばかりですし、ここは「神邑樒」=「ムタシーナ」では如何でしょうか。そうだとすると、ムタシーナがユナイタル・リングにやたらと詳しい理由も納得できます。
ムタシーナの目的
では苦労して転校を重ねて、さらにユナイタル・リングにまで登場した彼女の目的は何なのでしょうか。
そのヒントが、やはりユナイタル・リング編の第1巻である、第23巻の96ページに少し書かれているような気がします。
まず親の七光りとはいえ、超一流お嬢様学校(エテルナ女子学院)への転校って、本当に大変でしょう。おまけにムタシーナは、超複雑な呪文を唱えます。いくらSAO時代最後のキリトやアスナ並みにレベルアップしているとはいえ、超高度な魔法を駆使するのは大変です。
つまりムタシーナはアスナのような才能を持ち、アスナのように努力できる人らしいということです。《閃光》の二つ名を持つ彼女並みの存在が魔法を使う訳ですから、そりゃ大変な事態でしょう。
単に窒息魔法で従わせられた大部隊と戦うだけでは済みそうにありません。それに彼女がそこまでするというのは、彼女にとっても得るものがあるということです。
アスナが第23巻の回想シーンで語っているように、SAOはとんでもない場所だったけれども、得るものも少なくなかった世界です。本当に生と死が隣り合わせだった世界を生き抜いたというのは、普通の人には得ることの出来ないものです。
さすがに茅場晶彦のような無茶な真似(本当に命のかかったデス・ゲーム)は、もはや政府が厳しくチェックしているので実現できません。しかしそれに近いものとして、仮想世界で一度亡くなったら復帰できないというユナイタル・リングに参加した訳です。
カムラ社の創業者の社長令嬢ならば、当たり前の日常生活では満足できそうにない気がします。その彼女が関心を持てるの対象がユナイタル・リングの世界とSAOサバイバーという訳です。
だから特にキリトとアスナを中心とするSAOサバイバーたちをユナイタル・リングに引きずり込み、そこで「あの」モンスターたちと戦うという設定を作り上げる訳です。つまり彼女の目的は、SAOサバイバーたちの理解と能力の吸収です。
ちなみにカムラ社としては、社長令嬢の望みを叶えたいという親バカ丸出し心に加えて、SAOサバイバーを自然的/人工的に生み出せるかもしれないという利点があります。
単純に考えると、戦闘で優秀な頭脳を軍事目的に利用出来れば、人工知能でも天然知能でも構わない訳です。要は製造原価と維持費の問題です。アンダーワールド以外で効率良く実現できれば、カムラ社としては大いに魅力的な話です。
ちなみに主人公キリトの二刀流は、反応速度が最も早いプレーヤーに付与されたものです。《黒の剣士》キリトのような存在を生み出せれば、カムラ社としては願ったり叶ったりという訳です。《閃光》にしても、同じことです。
そう考えると、ムタシーナが単なる一時的キャラではなく、ユナイタル・リングの今後を左右する重要人物だということが分かって来ます。そういう視点で見ると、第25巻の表紙は、いよいよボスキャラが正体を表して来たしたというところでしょうか。
まとめ
以上がソードアート・オンライン第25巻の予告編から見た、ムタシーナの正体と目的です。彼女はSAOサバイバーの生きざまと能力を吸収しようと企んでいるのです。
それにしても彼女の考えは理解できる気もしますけれども、一方でカムラ社の創業者は大変な親バカ者であるような気がします。オーディナルスケールの重村教授も大変な親バカ者でしたけれども、全く引けを取らないかもしれません。
本当に困った人たちです。えっ、私もお嬢様のために考察記事を書くとは大変な親バカ者ですって? そこはまあ、素直に認めましょう。
たしかに父親になってみると、娘というのは目に入れても痛くない存在なのです。私など校長先生から進学面談で、「いずれ親から離れていくので、大変寂しい思いをすることになりますよ。間違いありません」と太鼓判まで押されています。
娘を持つ父親というのは、本当に困った存在です。
とりいそぎ以上です。
それでは今回は、この辺で。ではまた。
—————————-
記事作成:よつばせい